今話題のベンチャー界隈のトピックスとプレイヤーまとめ【シェアリングエコノミー編】

今、シェアリングエコノミー界隈がアツい!

人生100年時代を迎え、世の中が多様に変化する時代。インターネットが始まり、スマートフォンやSNS、最近ではAI、Fintech、シェアリングエコノミー、IoTといったテクノロジーが急速に普及。

スマホ1つで出来ることの幅が増え、人々の行動様式も変わろうとしている。
テクノロジー産業は仕事やキャリアの観点からもスピード感ある成長産業であり、拡大に伴う成長機会は多く魅力的と思われる。
そんななか今回は「シェアリングエコノミー」についてをまとめてみた。

シェアリングエコノミーとは?

定義

総務省定義によると下記 。

「シェアリング・エコノミー」とは、典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用による収入、借主は所有することなく利用ができるというメリットがある。

総務省|平成27年版 情報通信白書

背景

シェアリングエコノミーの市場規模 は

  • 世界
    • 2013年:約150億ドル→2025年:約3,350億ドルまで成長する(出展:PwC)
  • 日本
    • 2017年:716.6億→2022年:1,386億(出展:矢野経済研究所)
      と大きく拡大している。

シェアリングエコノミー台頭の背景は、分散している遊休資産をネットワークできるインターネット技術の発展にあると思われる。
モノ余りが加速することで、少しでも資産を換金化したい貸し手と、所有ではなく利用することで取引単位を小さくし、利用ハードル(利用コスト)を下げた点で消費者の選択肢を増やしたことが普及をあと押ししているのではにないか。

政府も、2017年1月に内閣官房情報通信技術総合戦略室内に「シェアリングエコノミー促進室」を設置し、下記の観点で政策的に推し進める意向である。
・1億総活躍社会・働き方改革
・観光立国の実現
・地方創生(自治体経営)

仕組み

バラバラと散在していた「情報」を事業者が整理し、メディアとして成立させたのが、リクルートのような従来のマッチングメディアのビジネスモデルだった。一方シェアリングエコノミーにおいては、個人が所有する資産をネットに公開し、主にCtoCで取引(賃貸・売買)を行う型が多い。仲介者はプラットフォーマーであり、取引の安全性のための評価の仕組みの担保が最も重要とされ、すでにある「もの・資産」を使う点が特徴的といえる。

プレイヤー

シェアリングエコノミーのプレイヤーはモノ、乗り物(移動)、スペース、スキル、ヒト、カネに分別される。

資金調達した会社例

ネット印刷 ラクスル

2009年設立。印刷というリアルが中心の領域にITを持ち込み、遊休資産のネットワーク化しECを通じて提供というビジネスモデルを構築している。2015年からは物流のマッチングプラットフォーム「ハコベル」も展開。最近ではCMの制作と発注を小ロットで格安可能なサービスも展開。

「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンは有名。累計調達79億円でマザーズ上場を果たしている。シリーズAで2億3000万円を調達し、シリーズBで14億5000万円の調達(2014年2月)、シリーズCで40億(2015年2月)、シリーズDで20.5億調達(2016年8月)

家具のレンタルサービス クラス

2018年設立。代表は初代バチェラーである久保裕丈氏。久保氏は東大卒→ATカーニー(コンサル)→ミューズ&コー起業(ファッションEC)→売却→クラス起業と、2度目の起業となる。
家具だけでなく、家電やベビーカーも取り扱う。2019年5月、シリーズAラウンドにて3.7億の資金調達を実施。BtoCだけでなく、BtoB事業も引き合いがあり、ホテルやマンスリーマンション事業者が家具導入の初期キャッシュアウトを軽減できる観点で引き合いが増えているのだろう。

時間単位で場所を貸し借りできるマーケットプレイス スペースマーケット

2014年設立。個人や企業が保有する遊休スペースを時間単位で貸し借りできるこのプラットフォーム。現在1万件を超えるスペースが掲載されており、中には野球場や映画館まで含まれる。法人向けのプラン等もあり、キックオフやオフサイトミーティング等での活用も可能。コンシェルジュ機能もある。

2019年1月にラウンドCとなる8.5億円を調達。JTBも出資しており、MICE分野での活用促進なども期待される。2018年11月からはTVCMを実施するなど、積極的な投資フェーズのようだ。

最後に

シェアリングエコノミーについての概要をまとめてみた。モノに限らずスキルや人材にも影響は及ぶため、潜在的ポテンシャルは大きく、ベンチャーも続々と参入し調達している。法整備等の課題も抱えているが、少子高齢・労働人口減少の進む日本における供給力向上救世主として期待されるところだ。

所有から利用へのシフトを牽引する新しい事業体の会社は組織や文化もビジョナリーだったり、ユニークで柔軟な制度を取り入れているところも多く、新しい働き方の実践の場としても魅力的な企業群といえよう。