上司の限界に気付いた今日、読むべきノート

上司に対して、こんな経験はないだろうか。

新卒1年目の春。憧れの上司のようになりたいと、土日も返上してがむしゃらに働き続けた。そしてそんな生活が数年続いたある日。あれほど憧れを抱いていたはずの上司に、急に「限界」を感じるようになってしまった。

一体何が起こったのか。そして、これまで”憧れの上司”を目指して自分がやってきた努力は何だったのだろう……。 実際、このような状況に置かれた若手も多いのではないだろうか。本記事では、こういった体験がなぜ起こるのか、そしてその際どういう行動をすべきなのかということについて考えてみる。

たった”25%”しか、憧れる上司に出会っていない!?

本題へ入る前に、上司に対する部下の想いや実態を把握するため、インターネット上で実施されている複数のアンケート結果を探してみた。

問い①:尊敬する上司に会ったことがある人は、どれぐらいいるのだろうか?

憧れる上司がいるか、上司を憧れているかという問いに対する結果はこうだった。

質問:会社に尊敬できる上司はいるか?

いる(25%)いない(75%)

マイナビ(学生の窓口 フレッチャーズ) より引用 https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/43862

つまり、3割以下の人しか憧れる上司に出会っていないようだ。残りの約7割の人は上司を尊敬していないか、不満がありそうだと分かる。

別の調査では上司に対する不満で「転職」を考えたことがあるかという問いに75%の人が転職を考えたことがあると回答しており、上司の姿勢は部下の転職や、企業の在り方までにも影響することが分かる。

問い②:尊敬できる上司とは、どんな上司なのか?

次に上司を尊敬する理由に関するアンケート結果を探してみた。

質問:その上司のどんな点を尊敬していますか?(複数回答可)

1位:(55%)いざというときに部下を守る

2位:(53%)指示・指導が的確

3位:(51%)知識や経験が豊富

4位:(49%)いつでも相談できる

5位:(48%)仕事に対する責任感がある

1万人が回答!「上司と部下」意識調査 『エン転職』ユーザーアンケートより引用
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/17710.html

上記を見ていくと、尊敬できる上司には、部下を守ってくれる、いつでも相談できるなどのスタンスが評価されているパターンと、指示・指導が的確、知識や経験が豊富等のスキルが評価されているパターンがあるようだ。

上司に対する「期待が希薄化」すると、部下は限界を感じる

上司の限界に気付く時とは、部下にとってどのような状態なのだろうか?

それは、上司に対する期待が希薄化した状態である。部下にとって、上司は“憧れ”の存在であり“目指したい姿”。その視線には、私もこの人のようになりたいという“期待”が含まれている。だが、上司がその期待を裏切る行動を続けると「期待の希薄化」が進み、一定値までいくと突如として憧れの存在ではなくなる。これが「上司に限界を感じる」ことの正体だと筆者は考える。

では「期待の希薄化が起こる」理由は何だろうか?

【上司起因①】上司のスタンスが悪い

尊敬できる上司に関するアンケート結果の裏返しでもあるが、人としてのスタンスが悪いパターン。例えば、「いつも偉そうな態度を取る」「失敗を部下のせいにする」「金のことしか考えない」など。幾らスキルや立場のある上司でも、これでは部下の期待は希薄化する。

【上司起因②】上司のスキルが不足している

こちらも同様のアンケートに紐づくが、上司として仕事上のスキルセットが足りないパターン。例えば、「優しいが決断が出来ない」「人の意見を聞きすぎてリーダーシップが取れない」「必要なスキルが足りない」など。

【部下起因】別の領域でやりたいことが見つかった

部下にやりたいことが見つかり、目指す延長線上に、憧れていた上司がいなくなるパターンもある。例えば「エンジニア」になりたくなった部下にとって、上司が一生懸命に「営業」を教えても部下は身が入らない。これは部下も上司も悪くないので、築きたいキャリアについて話し合うしかない。

上司の限界に気づいた今日、取るべき行動とは?

このように上司の限界に気づいてしまった時には、すぐに「転職を考える」ではなく、まずは幾つかの行動にトライしてみるのが良い。

行動1:上司の尊敬する部分を絞る

例えば、スタンスは尊敬出来ないといった場合でも、スキルの一部分のみにフォーカスして見るなど、「上司から自分が盗めるものは何か?」を真摯に考え、少しでも自分の成長に繋がるインプットを得よう。

行動2:斜めの上司にアドバイスを求める

尊敬する部分を絞っても、どうしても嫌になってしまうこともある。そんなときは、別部署の上司や社内の先輩などにフラットに話をしてみよう。新しい人と会話、相談をしていくことで、思いがけないヒントがあることも多い。

行動3:それでもだめなら、”弟子入り”しよう

それでもだめなら、副業や社会人インターンなどを通し、社外に尊敬できるロールモデルを見つけるのはどうだろうか。自分の目指したい先にいる新たな師匠を見つけ、弟子入りをすることで、自社の業務だけでは得られないスキルアップや価値観との出会いが期待できるだろう。

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「上司の限界に気づいた日」、それは成長のチャンスなのである。