仕事の”モヤモヤ”原因を全力で考えてみた

繁忙期を乗り越えたり、忙しかったプロジェクトが終わり、時間と気持ちに余裕を持てるようになったある日、ふと”モヤモヤ”することはありませんか?

「これまで猛烈に走ってきたけど、この先も今のままでいいのかわからない」
「5年後もやっていることは今と変わらない気がする。それは嫌。でも、何がやりたいのかわからない」
「興味のある仕事はあるけれど、この会社でできるとは思えない」
「転職や独立は頭によぎるけれど、本当にやりたいのか?と問われると、100%Yesとは言えない」

今回は、多くのビジネスマンが抱える”モヤモヤ”を分類し、その根本原因を探ります。

モヤモヤの定義

モヤモヤとは

わだかまりがあって心がさっぱりしないこと。(出典:デジタル大辞泉

わかったようなわからないような。それでは「わだかまり」とは?

心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分。特に、不満・不信・疑惑などの感情。(出典:デジタル大辞泉

この記事では、仕事における”モヤモヤ”を次のように定義します。

仕事やキャリアに対するネガティブな感情が、原因がはっきりしないまま、重苦しく停滞している状態

こうやって言葉にすると、”モヤモヤ”というライトな言葉とは対照的に、重量感のある、根深い問題だと捉えることができます。正面から向き合うのが億劫になるくらいの重さがあります。筆者自身、20代はこの”モヤモヤ”問題に対して正面から向き合うことを避けていました。

筆者の場合、30歳という節目を迎えたタイミングで「このまま現実逃避していると一生後悔する」危機感から、”モヤモヤ”に対峙する覚悟を決めました。

まず、なにから始めたのか?問題解決の第一歩は「問題を正しく認識する」ことです。モヤモヤの症状(ネガティブな感情)を紐解き、自分の中で起こっている事象を正しく理解するように努めました。

筆者自身の症状に加え、筆者がこれまで多くの方と対話する中で見えてきた”モヤモヤ”3大症状をタイプ別に解説します。

3つのモヤモヤ症状

症状1.「本当にやりたいこと」が見つからない

キャリアの悩みの常連、特に若い世代に多い悩みです。

本当に「やりたいことがないのか?」筆者が多くの方と対話する中でわかってきたのは、やりたいことが全くないわけではなく、

①今と同じくらい稼げる(不自由しないくらい稼げる)
②自分ができる(失敗しない)
③寝食を忘れるほど夢中になれる

この3つの条件を全て満たせる”やりたいこと”(仕事)が見つからない、という状態でした。こうして言語化してみると、彼ら/彼女らはあまりに高い理想を追い求めているのではないか?と思えてなりません。

症状2.「成長機会」がない

働く人の8割は仕事での「成長」を重視し、その機会を求めています。

働く10,000人の成長実態調査2017
2017年、パーソル総合研究所は、人々がどのように働き、成長をどう捉え、成長をどのように実感しているかをテーマとした大規模な定点調査をスタートさせた。あらゆる雇用形態・業職種を対象とした1万人にアンケート調査を行い、働き方の実態と意識、そして成長についてのイメージを確認しながら、「働くことを通じた成長」の全貌について今後、 経年で明らかにしていく。
働く10,000人の成長実態調査2017

また、経営環境が激変する中、経済産業省が企業経営の重要課題として「社員一人ひとりに適した成長機会を提供すること」を提言するほど、仕事を通じた個人の成長は不可欠な状況です。

経済産業省「変革の時代における人材競争力強化のための9つの提言」

それにもかかわらず現実では、会社や組織の都合が優先され、個人にとって望ましい成長機会を得ることは困難なケースも多く、組織の中で個人が停滞感を抱えながらも我慢せざるをえない状況にいることは想像に難くありません。

症状3.今の仕事の「将来性」が見えない

今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至った。(出典:週刊現代

英オックスフォード大学 マイケル・A・オズボーン准教授が発表した「仕事の大半はAIに奪われる」という衝撃発表から6年。

昨今では銀行や通信などでAI活用による人員削減計画が世間を賑わし、オズボーン准教授の予言がまさに現実となりつつあります。

三菱UFJ、本部人員を半減 営業などに異動  :日本経済新聞
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また、インターネットやブロックチェーン技術の急速な発展に伴い、GAFAに代表されるグローバルなテクノロジー企業が旧態依然とした産業を次々と飲み込んでいます。

将来に大きな不安を抱えるも、どの産業でどんな仕事をしていれば将来安泰なのか見通すことは難しく、多くの人が動くに動けない状態に陥っています。

モヤモヤの根本原因

モヤモヤ症状を引き起こす原因は、業界や職種、職場環境によって様々ですが、3つに共通する根本的な原因がひとつだけあります。

それは「自分の人生を会社に握られていること」です。

本来であれば、
稼げて、自分にできて、熱量を持てるような「本当にやりたい」ことを模索したり、
「成長機会」を得られる機会のある環境へ移ったり、
「将来性」の感じる仕事に果敢にチャレンジしたり、、、
あなたの意思決定ひとつで、いつでも行動できるはずです。

その一歩が踏み出せないのは「今の会社が嫌だったらいつでも辞められる。なぜなら、自分にはいつでも転職や独立できる力がある」と確信できないためではないでしょうか。

確信の持てない背景にあるのは、多くの人が、今の会社でしか(もしくは同一業界・職種でしか)仕事をした経験がなく、自分の市場価値や他の業界・職種での活躍可能性を試したことがないためです。

モヤモヤの根幹とはなにか?といえば、あなたの「未知なことに対する不安・恐れ」以外に他なりません。

リスクを取らずに「人生のハンドル」を取り戻す方法

では、どうすればいいのか?自分の力を試すためにリスクを無視して転職すればいいのか?

それもひとつの手段ですが、”ビビリな”あなたでも踏み出しやすいステップがあります。それは「副業」を活用することです。

副業機会を利用して、別の業界/会社で自分の力を試したり、興味関心のある業界/職種でインターンすることです。実践を通じて新しい経験を積んで「自分ならできる」という自信を得るのが重要です。

仮に”副業禁止”と言われている企業であっても、多くの場合は「競業避止義務」を満たし、「適切な労働時間(働き過ぎない)」を守れば、NPOやボランディアなどの活動まで禁止する企業はほぼありません。多くの人が会社の就労規則を読んだことがないと思いますが、この際一度チェックしてみてください。

モヤモヤは「変化の原動力」です。モヤモヤを感じたら、リスクをとらずに、いったん行動してみましょう。

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筆者紹介:赤堀 信(株式会社1ttan 代表)
総合コンサルティングファームに新卒入社し、約8年間総合商社などの大企業をクライアントに業務改革プロジェクトに従事。その後、上場直前のITベンチャーに転身し、事業責任者として新規事業の立ち上げから撤退までを経験。現在は「新しいワークスタイルを創造・支援する」ことを志し起業。