「物足りない・・・」大手IT企業の若手がルーチンワークを抜け出し社外プロジェクトで得た学びとは?

プロフェッショナル:池田耕一
ShareLegal Founder/弁護士(東京弁護士会 所属)
経営者・M&Aアドバイザー・弁護士・エンジェル投資家 (商社/メーカー/建設/営業会社/リサイクル/PEファンド経験)。 企業経営とM&Aが専門領域。
専門商社でキャリアをスタートし、経営と投資、営業の仕事をひと通りやり,バイアウトファンドに転身。投資をさらに深めた後、独立。COOやアドバイザーとして会社の営業・企画・管理・イノベーションを手掛ける。また、弁護士としてクレオ国際法律特許事務所に所属し、法務・知財を絡めた経営顧問も業として行う。ファミリー企業/非上場企業/レガシー産業/非ITベンチャー周りで、中小企業の経営者コミュニティへの貢献をテーマに活動。

ポテンシャルズ:小出紘大
大手IT企業2018年入社。
旅行クライアント向けの広告営業に従事。

キャリアに迷う若手ビジネスマンをビジネスのプロフェッショナルと共同プロジェクトを提供し、個人への次なる挑戦を支援する「キャリアお試しサービス Hampo」。

今回は、経営者・M&Aアドバイザー・弁護士・エンジェル投資家と多様な顔をもつビジネスのプロフェッショナル池田さんと大手IT企業に新卒で入社し広告営業に従事している小出さんに取り組みについてのインタビューを行いました。

プロジェクト概要

[テーマ]
市場調査とECの立ち上げ戦略策定
[期間]
3ヶ月

Hampoを利用した背景を教えてください

池田さん:昨年11月に起業し、さまざまなお客さまがいるなかで、自分の引き出しを増やしていきたいと感じ、まさにネットワークを広げようとしていた時期に声をかけてもらったんです。若手で志のある人との関係性を構築できるのが魅力で、この取り組みに参加することにしました。

小出さん:僕は大手IT企業に新卒入社し、10月に研修を終えて広告営業の部署に配属されてから3ヶ月が経過したタイミングでしたね。
広告営業をやることはわかっていたんですが、いざ現場に入ってみると、クライアント様に対してマーケティング上の課題をヒアリングはするものの、それがベストでなくても自社商品しか提案できないことに少し違和感を感じ、モヤモヤしたものを抱えていて。

このまま自社商品の提案だけをしていても、自分のキャリアのゴールとしている独立には届かないんじゃないかと思えてしまい、物足りなさと焦りを感じていました。今後の自分のロールモデルとなるような人に出会えたらいいなと思い、参加を決めたんです。 

面談で実際に会ってみた印象を教えてください

池田さん:小出さんにはまず、誠実そうな印象を受けましたね。また、過去のインターンや現職での経験の中で、広告業界やインターネットのトレンドに詳しそうなところが頼りになるのではないかと思いました。

本人が起業を目指しているということで上昇志向が強いため、先輩として小出さんの視野を広げてあげられるのではないかとも感じましたね。会社での仕事だけでなく、社外でも経験を積んでいくことは、今後非常に大事になってくると思います。

もともと1ttanさんの事業には共感していて、ある程度良い若手の人が来るのだろうと信頼しており、オープンなスタンスで望んだんです。小出さんは大企業にいながら、向上心があって、自身のWILLを強く持っていたので応援したいと思いました。

小出さん:池田さんは私と同じく、大手企業からキャリアスタートさせ、その後、バイアウト・ファンドを経て起業というキャリアを築かれていたため、身近に感じられた部分と、自分の経験したことのない世界を知っていらっしゃるところ、その双方にピンときました。こんな生き方の人がいるんだと、衝撃を受けました。僕の考えるこの先のキャリアのイメージを体現している方で、なかなか社内にいないタイプのロールモデルだったんです。

私が若手であることを受け入れてくれそうな人柄と経験の豊富さを感じ、安心しました。池田さん自身がエンジェル投資や起業をされていて、業界を俯瞰した視座と能動的に価値を作り出そうとする姿勢に惹かれましたね。

ビジネス経験豊富なプロフェッショナルと実際に会ってみて、緊張や不安はありませんでしたか?

小出さん:池田さんは、僕が間違ったことを言ったとしても訂正してくれる、間違いや失敗をしても受け入れてくれそうな安心感があったので、萎縮したり緊張したりすることはなかったですね。面談時にはまだ具体的にテーマが決まっていなかったんですが、一緒に働きたい人のもとで働けること自体が魅力的だと感じていました。

どのようなテーマを設定したのでしょうか?

池田さん:ちょうどShareLegalでコンサル的な仕事を受けていたのですが、ゼネコン業界に置ける新規事業の企画を提案しようと思っていたんです。そのため、リノベーションの市場調査からやろうとしていたのですが、緊急度の高い他の業務に追われ手が付けられていなかったんですよね。そこを、小出さんと一緒にやっていこうと決めました。

小出さん:リノベーションがテーマでしたが、私自身古民家に宿泊した経験があり、空き家や古民家の活用に興味を持っていました。市場調査は、今後自分の仕事にも活かせそうですし、挑戦したかった領域です。

しかし調査の実務経験がなく、手順のイメージも沸かなかったので心配でしたが、具体的なタスクの設計を池田さんと事務局と3者で相談しながら、決めることができたため安心しました。手順を整理したことで、実行イメージもすんなりと湧きました。

テーマを進捗させる際に、なにか工夫されたことはありますか?

小出さん:資料を池田さんから提供してもらって知識のキャッチアップをしながら、リノベーション業界のトレンドやプレイヤーごとの戦略などが徐々に見えるようになりました。ワーク自体は新しい情報に触れるたびに知識が蓄積されていき楽しかったのですが、正直、本業とのタイムマネジメントは大変でした。

僕の場合、平日の早朝と土曜日にまとまった時間をとってワークを行い、週次のミーティングをこなす計画で始めたのですが、やり始めてみると、自分の中で業務の見積もりが十分でなかったため、納期を守りきれなかったこともしばしばでした…。

しかし、取り組みを進めていくうち、徐々に作業イメージがついてきて、自らやるべきタスク設計と管理をしてみたら、より身が入ることに気づいたのは大きな発見でした。

池田さん:基本的には、考える材料をどんどん与えることを心がけました。取捨選択自体は、相手に任せるスタンスです。事例等からコアになっているアナロジーを考え、見抜くことが最も重要だと考えているので、それを感じ取ってほしいという気持ちが強くありましたね。

私が調査を行う場合、マーケットデータや会社の売上から入るんですが、小出さんはネットの戦い方からプレイヤーを探し出していくプロセスを辿っていて、ユニークだなと思いました。
SEOの知識を駆使し、プレイヤーを抽出してみる観点は、自分にとっては驚きでした。時間が限られた中で、情報に溺れずにまとめてくれたので、アウトプットとしてもありがたかったです。

コミュニケーションとして心がけていたことはありますか?

池田さん:コミュニケーションはミーティング以外に、Slackで情報共有をしていました。私はリアルタイムにレスポンスするタイプなのですが、忙しさもあったと思いますが、小出さんのレスポンスが遅れていると感じることはありましたね。

とはいえ、本業のある忙しい中で、期待に応えようとしてくれる気持ちは伝わってきまして…大変でしたよね? 週次のミーティングでは小出さんの主体性を大事にしようと思っていたので、小出さん自らの考えを引き出していくことを意識していました。

小出さん:たまに気づかず、レスポンスできなかったところはありましたね…(苦笑)。 ただ、面白いデータをいただけたので、勉強になりました。Slackでのやり取りでも、池田さんの考え方にふれることができ、理解が深まった気がしています。また、週次ミーティングでは、新しい観点がフィードバックされたので視野の広がりを感じられましたね。

ミーティングの最後に次回やることを確認していくのですが、徐々にやることの具体性が見え始め、主体的にワークを進めることができていったように思います。もちろん時間を作ることは大変ではあったんですが、日々の仕事との違いがあってそれが楽しかった面もありますね。

事務局の面談は小出さんにとってはどのようなものだったのでしょうか?

小出さん:月に一度、面談の時間があったのですが、作業したことがやりっ放しにならず、相手にどう伝えればいいのか、情報をどう整理したら伝わりやすいか?といった観点を見つめ直すアドバイスをもらえました。それがやって終わりになりがちな日々のルーティン業務では得られない気づきに繋がったように思います。
進め方の枠組みを決めた上で、自由にやらせていただいたんですが、迷ったときに相談することができたのも安心に繋がりました。

取り組みの成果を教えて下さい

池田さん:クライアントとのミーティングで調査結果について伝えることができました。調査自体は始まりの一部なのですが、今後の新規事業の準備にはずみがついたという意味で、価値があったと思います。小出さんの成長感も感じることができたのが、なお良かったですね。

小出さん:会社の外の世界で異なる仕事に触れることで、自分の成長余地が見つけられました。本業でも意識していたつもりでしたが、日々の仕事の中で埋もれていきそうな自分がいたのは事実です。今回の取り組みで、意思をもって仕事を進めることの大事さをより感じました
やらされとかではなく、自分の意思を持って進めて、相手にとって価値を提供できてこそ初めて仕事になるなと、教えて頂いた気がします。
取り組みのまえは正直仕事の面白さより友達と遊ぶことに夢中になってしまった部分もあり、このままじゃまずいって思っていたのですが、営業で成果を出すだけでない具体的な市場調査のスキルだったり池田さんのような仕事の進め方をしている人を間近でみることができ、スキルの意味がわかった気がしました。
もっと高いところを目指さないといけない、と思いなおすことに繋がりました。ありがとうございました。

インタビュー後記

いきいきとした目で語る小出さんを見て、ビジネス経験豊富な池田さんとのプロジェクトを通じ、主体的に仕事をすすめることの楽しさに気づいたように感じました。今後より人材の流動化が進むなかで、本業にはない実務機会を通じて主体性とスキルを身に付けていくプロセスはHampoの大きな魅力なのだと思います。

筆者紹介:河田英之
証券会社、グリー株式会社等を経て、大手IT企業に入社しマーケティング/事業企画を担当。自身のキャリアチェンジや副業経験から、「新しいワークスタイルの創造/支援」を志し株式会社1ttanに参画。 プロフェッショナルズとポテンシャルズ(若手)を繋ぐファシリテーターと事務局を担当。